ー訪問入浴介護の人員基準とは?仕事の流れや注意点も解説ー
訪問入浴介護には、利用者に適切なサービスを提供できるよう、人員基準が定められています。
今回は、訪問入浴介護の人員基準・注意点について解説します。
訪問入浴介護に必要な職種とその人数についてチェックしてください。
訪問入浴介護とは
訪問入浴介護とは、自宅での入浴が難しい要介護者の自宅を訪問し、入浴の介助を行う介護サービスです。
訪問入浴車といわれる車に専用の浴槽を乗せて、それぞれの自宅をまわります。浴室以外の場所で入浴ができるので、ベッドの近くや広い部屋などでゆっくりと入浴することが可能です。
訪問入浴介護は、介護保険の対象のサービスのため、下記の条件のもとで利用可能です。
・要介護1〜5、要支援1〜2の認定を受けている
・主治医からの入浴の許可が下りている
訪問入浴介護の利用者全体の要介護度は高く、約9割が要介護度3以上の認定を受けています。
また、入浴は体の状態にさまざまな影響を与える恐れがあることから、事前に医師による入浴許可が必要です。人工呼吸器や人工肛門などの医療機器を使用している方でも、入浴許可が下りていれば訪問入浴介護を利用することが可能です。
訪問入浴介護の人員基準とは
訪問入浴介護の事業者には、適切な訪問入浴介護サービスを提供するために、人員基準が定められています。
厚生労働省の規定は、下記の通りです。
『第四十五条 指定訪問入浴介護の事業を行う者(以下「指定訪問入浴介護事業者」という。)が当該事業を行う事業所(以下「指定訪問入浴介護事業所」という。)ごとに置くべき指定訪問入浴介護の提供に当たる従業者の員数は、次のとおりとする。
一 看護職員又は准看護職員(以下この章において「看護職員」という。) 一以上
二 介護職員 二以上』
つまり、訪問入浴の人員基準は、看護職員1名以上と介護職員2名以上、合計3名以上です。
職種について詳しく解説します。
看護職員
訪問入浴介護では、看護師または准看護師を1名以上配置しなければなりません。
看護職員は、入浴前に利用者のバイタルチェック・健康状態のチェックを行い、入浴時には介護職員のサポートを行います。看護職員または介護職員のうち1人以上は常勤である必要があります。
介護職員
訪問入浴介護には、介護職員の配置が2名以上必要です。
基本的には、看護職員1名と介護職員2名の3名のチームで行動するため、入浴介助や浴槽準備、入浴車の運転などを介護職員が行います。
ただし事業所によっては、「訪問入浴オペレーター」というポジションが設けられ、浴槽準備や運転をメインに行う職種もあります。その場合は、看護職員1名と介護職員1名と訪問入浴オペレーター1名の3名のチームです。
看護職員と合わせて、1名以上は常勤である必要があるので、注意が必要です。
管理者
訪問入浴には、専従で常勤の管理者を1名配置する必要があります。
管理者業務に支障がない場合は、事業所内の他の職種と兼務しても構わないとされているため、看護職員や介護職員が管理者を兼務することもあります。
訪問入浴介護の人員基準に違反するとどうなる?
訪問入浴介護においては、人員基準を満たしていないと、そもそも開業することができません。
また、開業後も人員基準を満たしていなければなりません。
そして、人員基準を満たしていないままサービスを提供した場合は、報酬返還や指定取消等の行政処分を受ける可能性があります。万が一、事業所が人員基準を満たせない状況となった場合は、必ず行政へ報告をしなければなりません。
訪問入浴介護の流れ
訪問入浴介護の流れを説明します。
1.事前に職員が利用者宅を訪問します。
自宅訪問時、看護職員は利用者の健康状態と主治医の許可が下りているのかを、介護職員は自宅の環境や入浴の際の移動方法、入浴方法などを確認します。
2.当日は職員が訪問入浴車で利用者宅を訪問します。
3.入浴の前に看護職員がバイタルチェックを行い、健康状態に問題はなく、入浴できるかどうかを確認します。もしも、体調が優れない場合は部分浴や清拭に変更する場合があります。
4.利用者の健康状態に問題がなければ、入浴の準備をします。
5.体調を確認しながら、負担がかからないように入浴をします。入浴が済んだら、水気を拭き、着替えの介助を行います。
6.入浴後、体調に変化がないかを確認し、サービスは終了です。
訪問入浴介護の注意点
訪問入浴介護を行う上で、注意しておかなければならない点を3つ紹介します。
①利用者本人が入浴を拒否する場合がある
家族が訪問入浴介護を依頼したとしても、本人が入浴を拒否する場合があります。
入浴の際に衣服を脱ぐ必要があるため、恥ずかしいと感じてしまう人や、認知症などで状況を理解できず、入浴に対して拒否反応を示すケースもあります。
同性のスタッフを希望したり、本人の性格や意向などで注意することがあったりするのかなど、事前に打ち合わせておきましょう。
➁看護職員は医療行為ができない
訪問入浴では看護職員も同行しています。しかし、基本的に医療行為はできません。
看護職員が対応できる行為は、バイタルチェック・健康状態のチェック・軟膏の塗布・湿布の張り替えなど、あくまでも入浴するにあたって必要な行為のみです。
入浴に関係のない医療行為が必要な場合は、訪問看護などの別のサービスがおすすめです。
③入浴車の駐車スペースや対応方法について確認する
訪問入浴介護は、入浴車に専用の浴槽やホースなどの機材を乗せて運びます。そのため、利用者宅周辺には駐車スペースが必要です。
給湯方法は、入浴車から浴槽までホースを延ばして行う場合が多いため、ホースが届く範囲に入浴車を停めなければなりません。
入浴車からの給湯が困難な場合は、利用者宅から直接給湯する場合もあります。どのような対応になるのかは事業者によって異なります。
まとめ
訪問入浴介護の人員基準について解説しました。
訪問入浴介護は、最低3名以上の人員を満たしていなければなりません。開業後も人員基準を満たすために、安心して業務ができる環境づくりも大切です。
入浴介助を行うことで利用者がリラックスしたり、感謝を伝えてもらったりすることに、訪問入浴介護のやりがいを感じることができます。
訪問入浴介護の仕事に興味を持った方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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