ー訪問入浴介護の介護保険適用をやさしく解説ー

訪問入浴介護は介護保険で利用できる?基本のしくみ
訪問入浴介護は、自宅でお風呂に入ることが難しい方のために、看護師や介護職員が専用の浴槽を持ち込んで入浴をサポートするサービスです。多くの場合、介護保険の「居宅サービス」に含まれており、条件を満たせば自己負担を抑えて利用できます。ただ、制度が複雑に感じられて一歩踏み出せない方も多いのではないでしょうか。
この記事では、訪問入浴介護の介護保険適用について、最初に知っておきたいポイントだけをしぼって解説します。大まかな流れと考え方をつかんでおけば、具体的な相談もしやすくなります。
訪問入浴介護は「居宅サービス」のひとつ
介護保険サービスは、「居宅サービス」「施設サービス」「地域密着型サービス」などに分かれています。訪問入浴介護は、自宅で暮らしながら利用する「居宅サービス」に分類されます。施設に入らなくても、自宅で安全に入浴できるよう支える在宅介護のメニューだと考えるとイメージしやすいでしょう。
要介護認定が介護保険利用のスタートライン
介護保険を使って訪問入浴介護を利用するには、市区町村から「要介護認定」を受けていることが大前提です。一般的には要介護1〜5の方が対象で、要支援の方は地域や状態によって取り扱いが変わります。まだ認定を受けていない場合は、まず役所や地域包括支援センターに相談し、申請から始めていきます。
介護保険が適用される内容と自己負担の基本
「介護保険が使える」と聞くと全部が無料に感じてしまいがちですが、実際には公的医療保険と同じように、保険給付と自己負担に分かれています。この仕組みを知っておくと、毎月の費用をイメージしやすくなります。
保険の対象になる主なサービス内容
訪問入浴介護で、介護保険の給付対象となる主な内容は次の通りです。
・専用浴槽や機材の持ち込みと設置
・複数スタッフによる入浴介助
・洗身・洗髪などのケア
・入浴前後の体温・血圧・脈拍などのチェック
いずれも、心身の清潔保持と健康管理のために必要な介護として位置づけられており、介護保険から給付されます。利用者は、その一部を自己負担として支払うイメージです。
自己負担は所得に応じて1〜3割
介護保険サービスの自己負担割合は、利用者の所得状況によって1〜3割に決まります。多くの方は1割負担ですが、年金額や世帯収入が一定以上の場合は2割または3割負担になることがあります。同じサービス内容でも負担割合によって支払い額が変わるため、「自分は何割負担なのか」を早めに確認しておくと安心です。
加算も基本的には介護保険でカバー
訪問入浴介護では、医療的な管理が必要な場合や、特に手厚い対応を行う場合などに「加算」と呼ばれる上乗せがつくことがあります。これらの加算も原則として介護保険の給付対象で、自己負担は1〜3割の範囲で発生します。明細書に加算の項目があっても、仕組みを知っていれば落ち着いて確認できます。
介護保険を使って訪問入浴介護を始める流れ
「実際に利用したい」と思ったとき、どんな手順になるのかが分かっていると、行動に移しやすくなります。ここでは、大まかな流れを3ステップで見ていきましょう。
1.要介護認定を受ける
まだ要介護認定を受けていない方は、市区町村の窓口や地域包括支援センターで申請します。認定調査や主治医意見書などをもとに要介護度が決まり、その結果に応じて利用できるサービスが決まります。このとき、「自宅での入浴が難しいこと」「家族の負担が大きいこと」などを具体的に伝えると、必要性が伝わりやすくなります。
2.ケアプランを作成してもらう
要介護度が決まると、担当のケアマネジャーがつきます。ケアマネジャーは、本人と家族から希望を聞き取り、心身の状態や生活リズムを踏まえて「ケアプラン(介護サービス計画)」を作成します。
「週に何回くらいお風呂に入りたいか」「どの曜日や時間帯なら家族が立ち会いやすいか」といった希望を伝えることで、訪問入浴介護を取り入れたプランに調整してもらいやすくなります。
3.訪問入浴介護事業所と契約・事前訪問
ケアプランに訪問入浴介護が組み込まれたら、実際にサービスを提供する事業所と契約します。その前後でスタッフが自宅を訪問し、浴槽を置くスペースや給排水の方法、ベッドから浴槽までの動線などを確認します。あわせて料金の目安や自己負担額、キャンセル時の扱いなどの説明も受けられるので、不安な点はこのタイミングで質問しておきましょう。
介護保険が適用されないケースと注意点
便利な介護保険ですが、「どんな場合でも必ず使える」というわけではありません。制度のルールを知っておくことで、思わぬ自己負担増を防ぎやすくなります。
要介護認定がない・非該当の場合
介護保険でサービスを利用するには、要介護認定を受けていることが条件です。認定前の段階や、調査の結果「非該当」となった場合には、介護保険で訪問入浴介護を使うことはできません。この場合は、自費サービスとして受けられるかどうか、事業所に相談する流れになります。
支給限度額を超えた分は全額自己負担
介護保険には、要介護度ごとに「1か月に保険給付される上限額(支給限度額)」が決められています。訪問入浴介護だけでなく、訪問介護やデイサービスなど他のサービスもすべて合計した金額で計算されます。
この上限を超えた分については介護保険が使えず、全額自己負担になります。サービスを増やしたいときは、ケアマネジャーと費用のバランスを相談しながら調整していくことが大切です。
医師から入浴禁止と言われている場合
心臓病や重い呼吸器疾患などがある場合、主治医が「入浴は控えたほうがよい」と判断することがあります。このときは、介護保険の対象であっても訪問入浴介護は実施できません。その代わり、訪問介護や訪問看護による清拭や部分浴など、体への負担が少ない方法で清潔を保つサポートが行われます。
まとめ:介護保険のしくみを知って訪問入浴介護を賢く利用
訪問入浴介護は、介護保険を上手に活用することで、自己負担を抑えながら安全で気持ちのよい入浴時間を確保できるサービスです。ポイントをまとめると、次のようになります。
・訪問入浴介護は介護保険の「居宅サービス」に含まれる
・要介護認定が介護保険利用のスタートライン
・基本サービスや加算は保険給付の対象で、自己負担は1〜3割
・支給限度額を超えた分や非該当の場合は全額自己負担
・医師の判断によっては清拭など別メニューになることもある
分からないことや不安な点があるときは、一人で抱え込まず、ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談してみてください。介護保険のしくみを味方につけることで、ご本人とご家族にとって無理のない形で訪問入浴介護を取り入れやすくなります。
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