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ー訪問入浴介護の手続きがよくわかる!利用開始までの流れと準備ポイントー

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訪問入浴介護とは?どんな人が利用できるサービスか

訪問入浴介護は、専用の浴槽や機材を積んだ車でスタッフが自宅まで来て、入浴をサポートしてくれる介護サービスです。自宅のベッド横などに簡易浴槽を設置し、その場でお湯をためて全身を洗うことができます。自力での入浴が難しい方や、浴室までの移動が負担になっている方でも、無理なく清潔を保てるのが大きなメリットです。
また、医療的ケアが必要な方の場合は看護職員が同席し、血圧や体温、脈拍などを確認しながら入浴を行います。体調を見守りながら進めてもらえるため、ご本人もご家族も安心して利用しやすいサービスと言えます。

訪問入浴介護は介護保険サービスの一つで、原則として要介護認定を受けている方が対象です。ただし、要介護度が高いから必ずしも必要というわけではなく、体力や病気の状態、ご家族の介護力、住環境などを総合的に見ながら、ケアマネジャーと一緒に「本当に必要かどうか」を検討していきます。

訪問入浴介護の手続きを始める前に確認しておきたいこと

いきなり事業所を探し始める前に、まずは現在の状況を整理しておくことが大切です。ここが整理できていると、ケアマネジャーや事業所との打ち合わせがスムーズになり、余計な手間や行き違いを減らすことができます。

要介護認定の有無と区分を確認する

訪問入浴介護を介護保険で利用するためには、要介護認定を受けていることが大前提になります。まだ認定を受けていない場合は、お住まいの市区町村の介護保険担当窓口や、地域包括支援センターに相談し、要介護認定の申請手続きを行いましょう。申請から認定が出るまでにはある程度時間がかかるため、早めの相談が大切です。
すでに要介護認定を受けている場合は、「要支援なのか要介護なのか」「要介護何度なのか」といった区分を確認しておきましょう。ケアマネジャーに相談する際に、手元に認定結果通知書を用意しておくと、話がとてもスムーズになります。

主治医の意見と健康状態を整理しておく

訪問入浴介護では、入浴前後に血圧や体温などをチェックし、体調に問題がなければサービスを行います。心臓や肺の病気がある方、皮膚のトラブルがある方、感染症の既往がある方などは、事前に主治医から「入浴の可否」や「注意点」について聞いておくと安心です。
たとえば、「長時間のお湯につかりすぎない」「頭から急にお湯をかけない」「皮膚のこの部分はこすりすぎない」といった点を簡単にメモしておくと、事業所や看護職員に共有しやすく、安全な入浴につながります。

訪問入浴介護の手続きの流れ

ここからは、訪問入浴介護を実際に利用し始めるまでの一般的な流れを見ていきます。自治体や事業所によって細かな違いはありますが、おおまかなステップを知っておくと、全体像がイメージしやすくなります。

ステップ1:ケアマネジャーや地域包括支援センターに相談する

まずは、現在関わっているケアマネジャーに「訪問入浴介護を検討したい」と相談します。すでに居宅介護支援事業所と契約している場合は、担当ケアマネジャーが手続きの中心となり、必要なサービスの調整を進めてくれます。
まだケアマネジャーがいない場合は、地域包括支援センターや市区町村の介護保険窓口に相談しましょう。要介護認定の状況に応じて、どの事業所につなぐか、どのようなサービスが利用できるかを案内してもらえます。

ステップ2:ケアプランの作成・見直しを行う

訪問入浴介護を利用するには、ケアマネジャーが作成する「ケアプラン」にサービスを位置づける必要があります。
「週に何回くらい入浴したいか」「今はどのような方法で入浴しているか」「ご家族の負担をどこまで軽くしたいか」など、希望や現状をしっかり伝えましょう。これらの情報をもとに、他のサービスとのバランスも考えながら、訪問入浴介護の頻度や時間帯を決めていきます。

ステップ3:訪問入浴介護事業所の選定とサービス内容の確認

次に、ケアマネジャーが候補となる訪問入浴介護事業所をいくつか紹介してくれます。対応エリア、空き状況、対応可能な時間帯、医療的ケアへの対応などを踏まえて、自宅に来てもらえる事業所を選びます。
多くの場合、契約前に担当者が自宅を訪問し、サービス内容の説明や料金の目安、当日の流れなどを詳しく教えてくれます。わからないことや不安な点があれば、このタイミングで遠慮なく質問しておくと安心です。

ステップ4:自宅環境の確認と事前準備

訪問入浴介護では、室内に簡易浴槽を設置し、お湯をためて入浴を行います。そのため、浴槽を置くスペースや、電源・給水の位置などを事前に確認する必要があります。
スタッフが事前訪問で動線を確認し、「どの部屋で入浴するのが安全か」「ベッドの位置を少し動かした方がよいか」「床にマットを敷いた方がよいか」などを一緒に検討してくれます。必要に応じて、家具の配置を少し変えたり、滑りにくいマットを用意したりしておくと、初回利用の日がよりスムーズになります。

ステップ5:利用契約の締結とサービス開始日の決定

事業所やサービス内容に納得できたら、利用契約を結びます。契約書には、サービスの内容、利用回数、自己負担の目安、キャンセル時の扱いなどが記載されていますので、しっかり目を通してわからない点は質問しましょう。
契約が完了したら、ケアマネジャーや事業所と相談しながら、具体的なサービス開始日と訪問時間帯を決めていきます。人気の時間帯は予約が埋まりやすいため、希望がある場合は早めに伝えておくと安心です。

初回利用当日の流れと準備しておきたいもの

手続きが終われば、いよいよサービス利用のスタートです。初回当日の流れを事前に知っておくことで、ご本人もご家族も落ち着いて過ごしやすくなります。

初回訪問当日の大まかな流れ

当日は、看護職員と介護職員の2〜3名が自宅を訪問し、まずは挨拶と体調確認から始まります。血圧や体温、脈拍を測り、その日の体調に問題がないかをチェックしたうえで、室内に専用の浴槽を設置し、お湯をためていきます。
入浴中は、こまめに声かけをしながら、洗身や洗髪などのケアを行ってくれます。終了後はしっかりと体を拭き、着替えのサポートも行います。入浴前後での体調の変化がないかも確認してくれるため、安心して任せることができます。

事前に用意しておくと安心なもの

訪問入浴介護をスムーズに受けるために、事前に次のようなものを準備しておくと安心です。
・普段使っているタオルやバスタオル
・着替え一式(肌着、パジャマ、靴下など)
・シャンプーやボディソープ、保湿クリームなど普段使用しているケア用品
・おむつやリハビリパンツを使用している場合はその予備
・主治医からの指示メモやお薬手帳

これらを一か所にまとめておくと、スタッフもすぐに取り出せて時間のロスが少なくなります。また、ご家族が立ち会う場合は、当日スタッフに聞きたいことをメモしておき、忘れずに確認できるようにしておくと安心です。

訪問入浴介護の手続きでよくある疑問とポイント

最後に、訪問入浴介護の手続きを進めるうえで多くの方が気になりやすいポイントを整理しておきます。事前に知っておくだけでも、心の負担が軽くなり、準備がしやすくなります。

どのタイミングで利用を検討すべきか

「まだ自宅のお風呂に入れているから大丈夫」と先延ばしにしてしまう方は少なくありません。しかし、入浴後にぐったりしてしまう、浴槽の出入りでふらつく、浴室での転倒が心配、ご家族の腰痛や疲労が強くなってきた、といったサインが見え始めたら、一度ケアマネジャーに相談してみるタイミングです。
早めに検討しておくことで、急に入浴が難しくなったときにも慌てずに対応しやすくなりますし、ご本人・ご家族双方の負担を軽減しやすくなります。

費用や利用回数はどう決めればよいか

費用は、介護保険の自己負担割合(1〜3割)や要介護度、利用回数によって変わります。ほかの介護サービスも利用している場合、全体の利用枠の中で訪問入浴介護をどれくらいの頻度にするかを考える必要があります。
最初から回数を多く設定しすぎると、ほかのサービスとのバランスが取りづらくなることもあるため、まずは週1回程度から始めて様子を見る方法もよく取られます。実際に利用してみて、「もう少し回数を増やしたい」「別のサービスを減らして入浴を増やしたい」と感じた場合は、その都度ケアマネジャーに相談し、柔軟に調整していきましょう。

訪問入浴介護は、一人で抱え込まずに、ケアマネジャーや地域の相談窓口、事業所スタッフと相談しながら進めていけるサービスです。安心してお風呂に入れる時間は、毎日の生活の質を大きく高めてくれます。「そろそろ自宅での入浴が負担になってきたかも」と感じたときは、早めに情報収集や相談を始めてみてください。

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